エコキュートを考える時間
自分のライフスタイルに合わせた住まいを実現できる先だってユニークな相談を受けた。
相談者は結婚4年目という若夫婦である。
ベランダに隣接して風呂を作ってほしいという。
理由は露天風呂の爽快感が最高で、なによりリフレッシュ出来るので思い切って家に作りたい、ベランダで文字通りの露天風呂というのは無埋にしてもせめて窓を開けて入浴できればそれなりの気分に浸れるからということである。
西官のマリーナパークシティにある14階建てマンションの最上階というロケーションである。
ヨットハーバーが一望でき、夜ともなれば海を渡ってくる風が心地よく、左に大阪湾、右に播磨灘を航行する船や、漁船のいさり火が見えるバッグンの眺望という。
話を聞いているだけでこちらまでそんなところで露天風呂に入ったらさぞ愉快だろうと思われてくる。
リフォームのいいところはこれなり、である。
もちろん建物の構造上の制約があるが、基本的には今はどんな要望にもこたえられるようになってきたといっていい。
生活をより快適に、人生をより充実したものにする上で、住まいの果たす役割は大きい。
子供部屋を書斎にしたい、洋室を和室にしたい、といったことから、趣味の陶芸のためにベランダに電気がまを設置したい、お茶室を作って炉を切って欲しい、などなど自分の楽しみをいっそうふくらませていく上で住まいをそのようにデザインしていく。
これこそリフォームから一歩進んだマイフォームというべきものである。
私は、これから人々の住まいに対する意識は限りなくマイフォームへと進んでいくのではないかと思う。
IT(情報技術)革命といわれ、これからの社会がまさに人類がかつて経験したことのない高度に進化、発展した文明の中で、人々の生活がどのように質的変化を遂げていくのか、予断をゆるさない。
しかし、人間が快適を求めていくのはこれから先も変わらない。
20世紀は科学の世紀といわれ、便利と快適さ往まい造りの新しい視たいものを追求してやむことのない世紀だった。
何年か先、何十年か先のわれわれの暮らしはハイテクの情報機器に囲まれ、仕事も在宅勤務が中心になって通勤などというのもなくなっているのかもしれない。
しかし、たとえば買い物がパソコンで出来たとしても、商口…の配達は人の手で行われるしかないのと同じように、住まいに求められるものも本質的には変わらないのではないか。
変わるものと変わらざるものと、不易流行という言葉を根底において、より柔軟な発想で住まいを考えていく必要があろう。
リフォームというと、これまでは衣食住の衣一の分野でポピュラーな言葵だった。
しかしこれからは住の分野で多く語られるにちがいない。
良い生地の洋服は、リフォームして新築同様に生まれ変わるの-と同じく、いい環境の中にあるいい住まいは、リフォームによって新しい命を吹き込まれ、新築同様の価値、いや、新築にはないその住まいならではの新しい光彩を放つようになると思う。
使い捨ての文明から、廃棄しない文明へ。
スクラップ&ビルドから再利用へと既にいくつかの血でその予兆を感じることが出来る。
日本はゆたかになった。
いまでは住まいを雨露がしのげればよい、と考える人はほとんどいないだろう。
だれもが快適で機能的な住まいで暮らしたいと願っていると思う。
先の阪神大震災で九死に一生を得られた方々からのご相談を多く受けた。
その方たちに共通していたのは、自分は生かされた、との思いと共にあたりまえのことだが、お金はもって死ねないということを痛感されたということだ。
寺田寅彦に『天災は忘れた頃にやってくる』の有名な言葉があるが、まさにある日、突然にやってくる地震の恐怖を私自身も経験した。
思い知らされた。
ライフラインが切断され、いたるところに瓦礫の山ができていた。
大きく傾いたマンションの3階から助けを求める老婦人を背負い、助け下ろしたが外に降り立った途端にくずれるようにして倒れ、身体をふるわせながら呆然として自失している老婦人。
まさに生き地獄だった。
自分が今生きているのか、死んで別の世界にいるのか、夢なのか、現実なのか、精神が錆乱したような状態で夢遊病者のように訳もなくあちこちを彷捏った。
気が狂ったように激しく鳴り響くパトカーや救急車、消防車のサイレンの苗が交錯する中に、どうしようもなくただ呆然と立ち尺、くし、あるいは遺体に取りすがって身体を震わせている人たちの姿が、まるでサイレント映画のように私の目に映った。
余震の恐怖が去り、神戸に復興の槌音が高まる壇から、幸いにして難を免れた私の事務所に改築の相談に訪れる人が相次いだ。
哩が崩れたのでこれを機にリフォームしたい、浴室が、キッチンが使い物にならなくなった、サイドボードや本棚がたおれて、床がダメになった、など直接的な動機は様々だったが皆さんが口をそろえておっしゃったのは「これを機に思い切って全面改装したい」ということだった。
いままで多少の不便を感じながらも、いずれその内、と先延ばししてきたがその根底にはお金がもったいないという思いが無意識の内に働いていたのである。
お金を使うということに一種の罪悪感のようなものを感じていた、ともいう。
節約や倹約を美徳とし、我慢を尊いとする考え方が一方にあるためだが、しかし人生というのはあまりにも惨いということを震災によって痛感させられたのだ。
将来にもっと楽しい何かがある、あるいは大変な困窮の事態が待ち受けている、だからそのときに備えて蓄えを増やしていかねば、という考え方は大震災と共に自分の中で崩れ去ったのだという。
今日1日を悔いのないように生きたい、思い切ったリフォームで頭にこびりついて離れない嫌な帝辰災の余韻を一括して1日も早く忘れたい、同時に便利で快適な住まいを実現したい、との思いで相談が寄せられたのである。
あれから6年。
いま振り返るとあの大震災は私のリフォームへの思いをさらに具体的に、確固たるものにしてくれたという意味で私の人生の第二の出発点となり、以後の仕事の原点になったと思う。
ビューティフル・ハウジング「……この父は、ひどく大きい家を建てた。風情も何もない、ただ大きいのである。間数が三十ちかくもあるであろう。それも「畳二十畳という部屋が多い。おそろしく頑丈なつくりの家ではあるが、しかし、何の趣きもない」(太宰治『津軽』)。
現在は人手に渡り「斜陽館」という旅館になっている太宰治の生家は、繊細で傷つきやすく、多感な小説家の感性には無趣味な、味気ないものだったようだ。
「私は、やはり、人生をドラマと見倣していた。
いや、ドラマを人生と見放していた」(同『東京百景』)太宰にとって、何の風情もないただ、だだっ広いだけの我が家は父や家族、そしてふるさとに背いた彼の後半生と決して無縁ではあるまい。
東京に出てきて「いわば手放しで、節度のない恋をした。好きなのだから仕様がないという噴れた呟きが、私の思想の全部であった」(同『ダス・ゲマイネ』)彼をして、例えそれが狭苦しい、生家とは似ても似つかわない安下宿の一問であったとしても、「一元歳。
私はいま生まれた。生きている。」(同)と言わせるだけの、いわば血の適った生活空間であり環境だったのである。
激しい恋の炎に包まれた二人にとっては、住む家などどうでもよい、それこそ雨露をしのげればよいものだったのだろう。
太宰はそんなふうに家を思っていたが、作家の多くは創作の空間とも言うべき、仕事場を家とは別のところに持っている人が多い。
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エコキュートについての構成力がないというのはエコキュート文章にメリハリがないという事でしょうか。
なお、個人的にはエコキュートの定義の不明確な難しい言葉を使う文章は決してよいエコキュートの文章だとは思いません。
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